Thermo Scientific™ DynaDrive™ シングルユースバイオリアクター(S.U.B.)は、50 Lから5,000 Lまで幅広い液量で動物細胞を培養できる当社の最新型バイオリアクターです。
直方体のバイオリアクターにユニークなインペラ形状を採用することで、従来品と比べて攪拌効率が向上し、より少量から培養が可能となりました。培養液中へのガス供給能力を改善することで、パーフュージョン培養や高密度培養にも対応できる性能を付与し、汎用性の高いバイオリアクターとなっています。今回はDynaDriveシングルユースバイオリアクター(S.U.B.)の3つの特長をそれぞれ紹介します。
こんな方におすすめです!
- 幅広い液量で動物細胞を培養できるバイオリアクターを探している
- シングルユースバッグであるバイオプロセスコンテナ(BPC)の取り付けをスムーズに行いたい
- フェッドバッチ培養・パーフュージョン培養両方に適したバイオリアクターを導入したい
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特長1:高いターンダウン比と少ない機器台数でオペレーションコストと消耗品(廃棄物)の減少に寄与し、5,000 Lまでの培養をサポート

スライド①
DynaDrive S.U.B. は50L, 500L, 3,000L, 5,000Lの4サイズで製品展開しています。従来型シングルユースバイオリアクターに比べ、高いターンダウン比(運転容量比)を有しており、50 Lでは5 Lから、500 Lでは25 Lから、3,000 Lと5,000 Lは250 Lから培養いただけます。スライド①に、当社の従来型バイオリアクターHyPerforma S.U.B.を使用して最大スケールである2,000 Lまで培養した場合と、DynaDrive S.U.B.にて5,000 Lまで拡大培養した場合の工程を示しています。
従来の場合、2,000 Lまでの拡大培養を実施する場合には、まずworking cell bankから細胞を起こし、フラスコ培養、ロッカー培養を経て50 Lのバイオリアクターに移り、500 L、2,000 Lへ、スケールアップする必要がありました。しかし、DynaDriveシングルユースバイオリアクターは10:1以上のターンダウン比を有しているため、フラスコ培養から直接50 LのDynaDriveシングルユースバイオリアクターに移行し、最小5 Lから培養を開始し、培地をさらに追加することにより同一バイオリアクター内で拡大培養することもできます。50 Lで培養後、同様に5,000 LのDynaDriveシングルユースバイオリアクターにて、最小250 Lからn-1もしくはn-2からの拡大培養および生産培養が可能です。
これにより、バイオプロセスコンテナ(BPC)シングルユースバッグやチュービングといった消耗品(廃棄物)の削減と、拡大培養の工程短縮による労力の削減につなげることが可能になりました。
特長2:シンプルなハンドリング:BPCの取り付けが容易になり、高所作業も不要に
DynaDrive S.U.B. のハードウエアの特長を下図に示します。
※上記スライドは50 LのDynaDriveシングルユースバイオリアクターですが、いずれのサイズも同等の特長を有しています。
DynaDriveシングルユースバイオリアクターはベッセル前方の扉が完全に開くようになっており、BPCの取り付けが容易になっています。また、高さのある3,000 L、5,000 Lについてはリフト機構を採用し、BPCやチューブ類の取り付けについて、高所での作業が不要となっています。
さらにDOセンサーやpHセンサーを取り付けるプローブポートはリアクターの下の方にあるため、取り付けが容易です。また、シングルユースのDOセンサー、pHセンサーも使用可能です。BPCの取り付けについては、上部のモーター接続部分にBPCの撹拌翼(インペラ)の軸を固定していただき、バッグの四隅を固定するだけで完了します。
特長3:高効率を実現する直方体デザインで高い酸素要求にも対応できる攪拌性能および攪拌効率を兼ね備え、50 Lから5,000 Lまでのスケーラビリティが可能に
DynaDriveの視覚的な特長の一つとして、直方体のデザインが挙げられます。
直方体デザインを採用することで、設置スペースの縮小や攪拌効率が改善されました。DynaDrive S.U.B. には、複数枚のインペラが採用されていますが、枚数や設置間隔は各サイズで異なっており、高い攪拌効率が得られ、かつ50 Lから5,000 Lまでのスケーラビリティが維持できるようにデザインされています。
次に、攪拌効率とベッセル形状の関係について説明します。
攪拌効率の観点で、最も効率が悪いのは上記スライド一番左側に示した円筒形のリアクターの中心にインペラを設置したデザインです。この場合、渦流の発生や、単一方向のみのフロー、攪拌に時間がかかるといったデメリットが生じます。
上記スライド左から2番目のパターンが当社の従来型のバイオリアクターと同様の構造で、インペラ位置が偏っています。この場合、渦流と攪拌時間は改善されますが、フローが単一方向である点は変わりません。ステンレスのバイオリアクターでよく使用されるバッフルを使用することでこれらの課題を解決できますが、さらに攪拌効率を向上させるため、DynaDriveシングルユースバイオリアクターでは直方体でインペラを中心ではなく少し後方に設置し、これらの課題を解消しました。
DynaDrive S.U.B.の液中通気に使用する改良型レーザードリルドホールスパージャーはレーザーを用いて精密なサイズの通気孔を作っています。通気孔のサイズや数は、スケーラビリティが担保されるよう、DynaDirve S.U.B.のサイズごとに設計されています。
上記スライド右に、マイクロスパージャー(フリット)と従来のドリルドホールスパージャー、DynaDrive S.U.B.で採用されているドリルドホールスパージャーを使用した場合の通気量とkLa値の関係を示します。青で示しているのがフリットスパージャーのみを使用した場合、赤で示しているのがフリットスパージャーと従来のドリルドホールスパージャーを併用した場合、緑で示しているのがDynaDrive S.U.B.で採用されているドリルドホールスパージャーを使用した場合です。
通気量が低い場合、フリットスパージャーを使用すると高いkLa値を得ることができますが、流量に限りがあるため、ドリルドホールスパージャーと併用する必要が出てきます。しかし、併用した場合でもkLa値は40程度までにとどまります。
一方、DynaDrive S.U.B.で採用されているドリルドホールスパージャーを使用すると、気体の封入量に比例してkLa値も上昇していき、50を超えるkLa値を得ることができます。
まとめ
今回、DynaDrive S.U.B.の3つの特長について紹介しました。
1つ目の特長は、高いターンダウン比と少ない機器台数で消耗品(廃棄物)の削減や拡大培養の工程短縮による労力(オペレーションコスト)を削減し、5,000 Lまでの培養が可能になりました。
2つ目の特長は、シンプルなハンドリングです。ベッセル前方の扉が完全に開くようになっており、BPCの取り付けが容易になりました。また、高さのある3,000 L、5,000 Lについてはリフト機構を採用し、BPCやチューブ類の取り付けについて、高所での作業が不要になりました。
3つ目の特長は、高効率を実現する直方体デザインで高い酸素要求にも対応できる攪拌性能および攪拌効率を兼ね備え、50 Lから5,000 Lまでのスケーラビリティが可能になっています。
今回ご紹介しましたDynaDriveシングルユースバイオリアクターおよびシングルユーステクノロジー製品に関する関連資料は、下記リンクよりご確認いただけます。
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研究用または製造用にのみ使用できます。診断目的の使用、ヒトおよび動物への直接的な使用はできません。