ピペッティングは、精密度と正確度の両方で誤差のないことが重要です。ピペットのスペックにはいくつかのファクタが影響します。これらは、ピペットの性能を評価する上で主要な定量パラメータです。
ピペットは、液体を計量し分注するための体積計です。実験や試験検査を行う上で、誤差の少ないピペッティングが必要とされます。したがって、誤差のパラメータである正確度と精密度がピペットの性能評価の基本となります。また、ピペットの性能以外に、温度や湿度などさまざまなファクタが誤差に影響を及ぼしますので、キャリブレーションを行う場合には、それらのファクタを考慮する必要があります。
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正確度、精密度とは?
- 正確度:設定した容量(分注したい容量)と実際の分注量との差
- 精密度:1回ごとの分注量のばらつき
正確度や精密度に影響するファクタ
ピペットの位置と角度 (例:1-10ml)
温度
分注する液体の温度は、ピペッティングの正確度に影響する最も重要なファクタです。ピペットと分注液の間に温度差がある場合、非常に大きな影響があります。図に、22°Cでキャリブレーションしたピペットで、温度が異なる液体の分注を行ったときの正確度の変化例を示します。これは、チップ内の液面とピストンの間にある一定量の空気(エアギャップ)の体積が温度変化に伴って膨張または収縮したためです。また、分注する液体自体の体積も温度によって変動します。
密度
密度もチップ内に吸引される液体の容量に影響します。密度は、液体の重量/容量の比で、例えば蒸留水に比べて密度が高い(“重い”)液体がチップに吸引される量は水より少なく、密度の低い(“軽い”)液体では逆になります。これは、液面とピストンの間に存在する空気(エアギャップ)の体積が引力によって変化するためです。密度は、温度や気圧によって変化します。20°Cにおける主な液体の密度は、水 0.998 kg/dm3、エタノール 0.79 kg/dm3、硫酸(95-98%H2SO
4) 1.84 kg/dm3などです。
標高
地理的な標高によって気圧が異なり、正確度に影響を及ぼします。気圧は、標高が高いほど低くなり、変換係数Zも同様に小さくなります。また、液体によっては沸点が室温近くにまで下がり、蒸発による減少が著しく増大することがあります。
いかがでしたでしょうか?
上記のようなピペッティングに影響するファクタを考慮して、正確なピペットのキャリブレーションを行いましょう!
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