今回は、リアルタイムPCR実験にかかるコストについて考えてみたいと思います!
リアルタイムPCRのコストには、機器インストールのための初期費用の他に、解析ごとに使い捨てとなる試薬類の費用がかかります。
では、リアルタイムPCRの解析に必要な試薬類のコストはどれくらいでしょうか? SYBR® Green試薬を用いた場合で、確かめてみましょう。
ここで、テクニカルサポートの「中の人」よりクイズです! 実際、“お金のこと”の質問は現場からも多いんですよね……。
Q: ターゲット遺伝子検出用のプライマーセットを含めて、1ウェルあたりの価格(25μLの反応系の場合)はいくらでしょう?
- 約2円
- 約80円
- 約500円
答えは……
2. の約80円(25μLの反応系の場合)です。
なるほど。この価格、高いと考えますか? 安いと考えますか?
高いと考えた方は、試薬類の費用だけでなく、1つの実験データを得るために必要な全ての人材、時間、予備実験の試薬も入れた、トータルコストを考えてみて下さい。
いかがでしょう? コスト計算で忘れられがちなのが、実験の条件検討のために費やされた人と時間。この労力を人件費に換算すると、意外と大きなコストがかかっていることが多いのです。
リアルタイムPCRのコストを考えるときも、実験の条件検討にかかる時間は大切なポイントです。次回で紹介するTaqManアッセイを利用すると、この条件検討が不要になります。さらにマルチプレックスでの遺伝子発現解析を行えば、貴重なcDNAサンプルを有効に使い分注での誤差を最小限にとどめて、サンプル抽出にかかるコストも削減できます。
つまりリアルタイムPCRは、従来の実験系で必要だった条件検討等のコストを劇的に減らし、トータルコストでとても“お得”なシステムになり得るのです。
次回からは、プライマー設計や検出系の精度の解説に加え、高品質なデータを最小限のコストで得る秘訣をお届けしていきます。
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