通常のリアルタイムPCRシステムの1回の待ち時間は約2時間。例えば昼食後に試薬の分注を始めると結果が得られるのは夕方です。忙しい方やせっかちな方におすすめなのが、通常の約3分の1の40分程度で結果が出るFastタイプのリアルタイムPCRシステムです!
リアルタイムPCRには通常の約2時間程度で結果がでるスタンダードタイプと40分程度で結果のでるFastタイプがある事をご存じでしょうか?Fast リアルタイムPCRのランニング時間は従来の約1/4になりましたので、96ウェルスタンダードPCRと比較するとこちらも処理能力は約4倍です。つまり約2時間に処理できるサンプル数はいずれも384サンプルということです。
Fast PCRが目指したのは”早く結果が得られる”ということです。時には数サンプルだけ定量したいこともあります。早く結果が出ることこそがFast PCRの魅力です。
FastリアルタイムPCRはこのような方にお薦めです。
- ラボのリアルタイムPCRマシンがいつも混雑していて、使いたいときに使えない
- 製薬企業や臨床医のように限定された時間の中で研究をする必要がある
Fastシステムを導入することにより待ち時間が飛躍的に短縮され、ストレスも軽減されることでしょう。一回のランが約35分で終わると実験の組み方も変わります。Fast PCRならば結果を確認してから日の高いうちに追試を行うことも出来ますし、その日のうちにさらに数回実験することも可能です。このように実験の予定を組む際の自由度が飛躍的に高くなりますし、実際にFast PCRをお使いの方からは、一度この速さを体験してしまうと2時間も待っていられないという感想をいただいております。
時間がない方や急ぐ方にはFastタイプは最適ということですね。一方、スタンダードの384ウェルフォーマットでは高い処理能力があるので、大量のサンプルを一度に解析する規模の大きな研究で活躍します。サンプルが非常に多く、まとまった量のサンプルをルーティーンワークで解析するような場合、何度もPCRプレートの調整とPCRを行うよりも、まとめて試薬の分注を行い一気にデータを解析するほうが効果的です。
早く結果が出るFastタイプと大量にサンプルを解析できる386ウェルフォーマット。合ったほうをうまく選んで使いこなせるといいですね。
次回ではFastタイプのリアルタイムPCRシステムについて詳しくご紹介します!
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