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Accelerating ScienceLearning at the Bench / その他 / 閉鎖系バッチ遠心分離システムでバイオ医薬品を製造する

閉鎖系バッチ遠心分離システムでバイオ医薬品を製造する

Written by LatB Staff | Published: 07.02.2024

バイオ医薬品は、単なる症状を緩和するための処方薬とは異なり、高い薬効と低い副作用で、これまで治らなかった難病を治癒することが広く認識されるようになりました。これにより、その進化と普及が進み、バイオ医薬品市場は急速に拡大しています。その一方で、バイオ医薬品の製造工程では細胞が使われるため、製造スケールが限られており、汚染リスクを排除しつつ再現性の高い薬効・品質・安全性を維持し、コストを抑えつつ生産性を高める必要があります。

本ブログでは、バイオ医薬品製造プロセスにおける「ハーベスト工程」および「分離・精製前処理工程(清澄化)」で使われる大容量バッチ遠心機と革新的なシングルユースの閉鎖系ハーベストソリューションをご紹介いたします。

こんな人におすすめ
・バイオ医薬品研究開発担当者
・バイオ医薬品製造プロセス開発担当者
・細胞加工施設(CPC)従事者

▼もくじ [非表示]

  • バッチ遠心分離の利点と課題
    • バッチ遠心分離の利点
    • バッチ遠心分離の課題
  • バイオプロセス用大容量遠心機の登場
    • Sorvall BIOSシリーズ超大容量冷却遠心機の特長
  • シングルユース遠心分離バッグによる閉鎖系分離ソリューション
    • CentriPAK BPC 6バッグマニホールドパッケージの特長
  • まとめ

バッチ遠心分離の利点と課題

バイオプロセスにおける大規模なハーベストや分離・精製前処理において、デプスフィルターを用いたマイクロフィルトレーションが採用される場合も多いですが、遠心分離も依然として非常に強力なツールとして重要な役割を果たしています。バイオプロセス産業で使用される遠心機は、ランごとの再現性とトレーサビリティを備え、高い品質と堅固で信頼性のあるデザインが要求されます。デプスフィルターによるマイクロフィルトレーションと比べ、バッチ遠心分離の利点には次のようなものがあります。

バッチ遠心分離の利点

  • 費用対効果に優れている(初期投資とランニングコストが低い)
  • 簡単な操作性
  • 高い回収率
  • 細胞の「ハーベスト」と精製前処理の「清澄化」の両方に適用可能
  • 幅広い細胞種(動物細胞、昆虫細胞、微生物細胞)に適用可能
  • 高い粘性や高密度サンプルにも対応
  • 生きた細胞への物理的なストレスが少ない

一方で、これらの利点があるにもかかわらず解決すべき課題も残されていました。

バッチ遠心分離の課題

  • 必要とされる高い生産レベルを満たせない
  • 同時に複数の遠心機を動作させる必要があり、設備フットプリントの増大とエネルギーや負荷が大きい
  • スケールが大きくなるとロット間の一貫性も制限される場合がある
  • 使用する容器の洗浄・滅菌バリデーションに手間とコストがかかる
  • 開放系での充填や回収操作が必要で汚染リスクを排除できない

バイオプロセス用大容量遠心機の登場

当社のThermo Scientific™ Sorvall™ BIOSシリーズ超大容量冷却遠心機は、これらバイオプロセス分野における課題を解決するために開発され、現在、世界中でワクチン、細胞治療、動物用医薬品、組み換えタンパク質の大規模生産で使用されています。1ランにおける遠心処理容量が数リットルに限られていた従来型の遠心機と比べ、ハイスループットニーズに対応する医薬品グレードの2 L容量遠心ボトルを最大8本、つまり1ランで最大16 L処理することが可能です。これにより、飛躍的にバイオプロセスのスケールアップが可能になりました。Sorvall BIOSシリーズ超大容量冷却遠心機は、大容量・ハイスループットによるアドバンテージに加え以下の特長があります。

Sorvall BIOSシリーズ超大容量冷却遠心機の特長

  • 大容量・ハイスループットによる生産性の改善:最大容量16 L
  • スケールや要求される遠心力に応じてモデルやローターの選択が可能
  • 21 CFR Part 11対応のユーザーログ、ランログ、エラーログ管理機能を備え、トレーサビリティに対応(オプション)
  • 稼働台数を削減しエネルギー消費を削減
  • 最新のRoHS指令およびWEEE指令に準拠した環境負荷の少ないマテリアルの採用

Sorvall BIOSシリーズ超大容量冷却遠心機

培養スケールに対応するSorvall BIOS 16大容量低速遠心機の必要台数

培養スケールに対応するSorvall BIOS 16大容量低速遠心機の必要台数

シングルユース遠心分離バッグによる閉鎖系分離ソリューション

バイオプロセスにおけるバッチ遠心分離の残された課題は、開放系による汚染リスクが依然として存在することでした。Thermo Scientific™ CentriPAK™ BPCシングルユース遠心分離バックシステムのCentriPAK™ BPC 6バッグマニホールドパッケージは、閉鎖系での「充填」から「遠心分離」、「回収」と一連の操作が可能な、革新的なバッチ遠心分離ソリューションです。マニフォールドチューブに1.7 L容量の遠心分離バッグが6バッグ連結され、バイオリアクターや多層式フラスコからAseptiQuik™ Gコネクターを介して無菌的かつ連続的に充填が可能です。これらのバッグをマニフォールドから切り離し、Sorvall BIOS 16大容量低速遠心機で遠心分離できます。

CentriPAK BPC 6バッグマニホールドパッケージの特長

  • 閉鎖系で「充填」、「遠心分離」、「回収」が可能で、安全キャビネットなどのクリーン環境での作業が不要
  • 最大容量10.2 L(6バッグ✕ 1.7 L)の遠心処理に対応
  • 連続的に充填できるため充填作業にかかる時間を短縮
  • 最大7,187 x gでの高速スイング遠心分離
  • ガンマ線滅菌済み
  • フレキシブルな接続オプション(Steam-Thru™、AseptiQuik™ G、MPCコネクター、AdvantaFlex™)チューブ
  • 遠心ボトルに比べて使用後の廃棄物量を削減
    • CentriPAK BPCシングルユース遠心分離バックシステム、マニフォールドパッケージと遠心分離後のバッグ

      CentriPAK BPCシングルユース遠心分離バックシステム
      マニフォールドパッケージと遠心分離後のバッグ

      閉鎖系CentriPAK BPCシングルユース遠心分離バッグシステムの使い方動画はこちら

      まとめ

      当社のSorvall BIOS 16大容量低速遠心機とCentriPAK BPCマニフォールド遠心分離バッグシステムを組み合わせることで、バイオプロセスにおける「ハーベスト」と「清澄化」工程の生産性を最大化し、それらを閉鎖系で行うことで原薬の安全性を両立できます。さらに、cGMPガイドラインで要求されるトレーサビリティの確保と廃棄物を削減し環境負荷の低減にも貢献できます。

      Sorvall BIOS 16大容量低速遠心機の製品情報はこちら
      閉鎖系CentriPAK BPCシングルユース遠心分離バッグシステムの製品情報はこちら

       

      研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

      AseptiQuik and Steam-Thru are trademarks of Colder Products Company.
      AdvantaFlex is a trademark of NewAge Industries, Inc.

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