プレスリリース
2021年2月4日
サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ

報道関係各位

サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田博夫、以下サーモフィッシャー)は、便中カルプロテクチン検査試薬「エリア カルプロテクチン2(以下、本製品)」に関するクローン病の病態把握補助の追加について、2021年1月26日(火)付で厚生労働省より医薬品製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことをお知らせします。今後は本製品の、クローン病の病態把握の補助における早期の保険適用に向けた準備を進めてまいります。

本製品は、蛍光酵素免疫測定(FEIA)法を原理として糞便中のカルプロテクチン値を測定することにより、腸管炎症度を把握することができる体外診断用医薬品です。当社は本製品について、炎症性腸疾患の診断補助および潰瘍性大腸炎の病態把握の補助を使用目的として、2017年3月7日に製造販売承認を取得し、2017年12月1日の保険適用を経て、2017年12月1日より販売を開始しています。本製品は、免疫蛍光分析装置ファディアラボラトリーシステムシリーズの専用試薬キットです。

この度の一部変更承認の取得で、本製品は炎症性腸疾患の診断補助および潰瘍性大腸炎の病態把握の補助に加え、クローン病の病態把握の補助として使用することができるようになります。また便中カルプロテクチン検査は、海外では予てから炎症性腸疾患診療に使用されており、国際組織であるInternational Organization for the study of Inflammatory Bowel Disease (IOIBD)やEuropean Crohn's and Colitis Organisation(ECCO)の報告でも、その有用性について示されています(*1)(*2)。この度の適応拡大を受け、日本国内でも、本製品が炎症性腸疾患診療により一層貢献していくことが期待されます。

カルプロテクチンは、好中球細胞質中のおよそ60 %を占める36kDaのタンパク質です(*3)。腸管に炎症が生じると炎症局所に好中球が集積し腸管腔に移行するため(*4)、便中カルプロテクチンは腸管に集積した好中球量を反映します(*3)。また、腸管炎症に応じて値が上昇する性質を持つため(*5)、便中カルプロテクチン検査は血液検査と異なり、全身炎症ではなく腸管局所の炎症を把握できること、内視鏡検査と異なり非侵襲的な検査であることが特長です。

クローン病は、炎症性腸疾患に分類される難治性の消化器疾患であり、国の定める指定難病です(*6)。口腔から肛門までの消化管のあらゆる部位に病変が起こりうる疾患であり、その中でも小腸・大腸・肛門周囲が好発部位です(*7)。2014年の疫学調査では、推定患者数は約7万人であり、1991年の疫学調査と比較すると、約10倍に増加していると報告されています(*8)。炎症性腸疾患は若年で発症し、腹痛、下痢、血便などの症状を呈し、再燃と寛解を繰り返しながら慢性的に持続します。そのため、QOLの低下や心理的ストレスを感じる患者は少なくありません(*9)。炎症性腸疾患の発症原因は明らかになっていませんが、遺伝的素因に環境因子が関与し、腸管免疫や腸内細菌叢の異常をきたして発症すると考えられています(*7)

サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループの代表である室田博夫は、次のように述べています。「エリア カルプロテクチン2は、クローン病の病態把握の補助として、全身炎症ではなく腸管炎症を把握することができる体外診断用医薬品がこれまで存在しなかったという、医療現場のアンメットニーズに寄与します。私たちのミッションは、私たちの住む世界を『より健康で、より清潔、より安全な場所』にするために、お客様に製品・サービスを提供することです。この度の承認取得により、クローン病のより適切な治療の推進に貢献できることを確信しています」

製品概要

一般名称カルプロテクチンキット
販売名エリア カルプロテクチン2
測定原理蛍光酵素免疫測定(FEIA)法
使用目的糞便中のカルプロテクチンの測定(炎症性腸疾患の診断補助及び病態把握の補助)
承認日2021年1月26日
承認番号22900EZX00011000
製造販売元サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社

参考文献

(*1)Turner D et al: STRIDE-II: An Update on the Selecting Therapeutic Targets in Inflammatory Bowel Disease (STRIDE) Initiative of the International Organization for the Study of IBD (IOIBD): Determining Therapeutic Goals for Treat-to-Target strategies in IBD. Gastroenterology, 2020 (Online ahead of print)

(*2)Maaser C et al: ECCO-ESGAR Guideline for Diagnostic Assessment in IBD Part 1: Initial diagnosis, monitoring of known IBD, detection of complications. J Crohns Colitis, 13: 144-164, 2019.

(*3)Vermeire S, Van Assche G, Rutgeerts P: Laboratory markers in IBD: useful, magic, or unnecessary toys?.Gut, 55: 426-431, 2006.

(*4)D Foell, H Wittkowski, J Roth: Monitoring disease activity by stool analyses: from occult blood to molecular markers of intestinal inflammation and damage. Gut . 2009 Jun;58(6):859-6

(*5)Aomatsu T et al: Fecal calprotectin is a useful marker for disease activity in pediatric patients with inflammatory bowel disease. Dig Dis Sci . 2011 Aug;56(8):2372-7

(*6)難病情報センター(2021年2月1日時点) https://www.nanbyou.or.jp/entry/5461

(*7)炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン 2020. 日本消化器病学会, 南江堂, 東京(2020).

(*8)Murakami Y et al: Estimated prevalence of ulcerative colitis and Crohn’s disease in Japan in 2014: an analysis of a nationwide survey. J Gastroenterol . 2019 Dec;54(12):1070-1077

(*9)炎症性腸疾患(第2版) 病因解明と診断・治療の最新知見. 株式会社 日本臨床社, 379-385, 東京(2018).

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