Dynabeadsタンパク質Aは、組換えタンパク質A（約45 kDa）を表面に共有結合させた均一な2.8 μm超常磁性ビーズです。Dynabeadsタンパク質Aは、免疫沈降（IP）用のセファロースレジンやアガロースレジンに代わる優れた代替品であり、手動および自動のプロトコルを利用できます。

•40分未満でのIP
• 低抗体消費量で高標的タンパク質収量
• シグナルノイズ比が高く、非特異的結合が非常に低い
• カラム、遠心分離、時間のかかる予備洗浄は不要
• KingFisher機器に適合する高い再現性とハイスループット

Dynabeadsの手動分離は迅速かつ簡単
手動プロトコルは簡単で、40分未満で実行できます。まず、標的タンパク質用の抗体をDynabeadsタンパク質Aとともに、チューブで10分間インキュベートします。DynaMagマグネット内にチューブを配置し、上清を除去することで、余分な抗体を洗浄します。抗体でコーティングされたビーズは、IP、Co-IP、クロマチンIP（ChIP）、RNA IP（RIP）、小規模IgG精製、タンパク質精製など、さまざまな下流アプリケーションに使用できます。Dynabeads独自の磁気特性により、DynaMagマグネットを使用して結合物質を簡単に収集できます。ビーズ上の組換えタンパク質Aにはアルブミン結合部位が含まれていないため、アルブミンは手順中に共精製されません。IPは高速で、高い収量、高い再現性が得られ、非特異的結合がほとんどないため、事前洗浄は不要です。

Dynabeadsの自動分離はスループットの向上とハンズオン時間の短縮に役立ちます。
複数のサンプルを並行して処理する場合は、サンプル数に比例して洗浄ステップ数とハンズオン時間が増加します。分注やその他の手動操作は、多くのサンプルを同時に扱う場合、自動化よりも一貫性が低くなる傾向があります。中∼高スループットのサンプル処理を改善し、ハンズオン時間を短縮し、高い再現性を確保するために、KingFisher FlexおよびKingFisher Duo Prime装置用のIPプロトコルを開発しました。自動化プロトコルは手動プロトコルを再現するため、同等に高い標的タンパク質収量と、同様に低い非特異的結合および高い再現性を得られます。10個のサンプルを扱うか96個のサンプルを扱うかは問題ではありません。IPプロトコルはサンプル個数に関わらず40分未満です。試薬をプレートにロードし、“Start（スタート）”ボタンを押すだけで、下流分析の準備ができたころにはIPが完了しています。使用する抗体、および標的タンパク質の存在量や特異性によっては、（インキュベーション時間などの）最適化が必要になる場合があります。

•低∼中程度のスループット（1～12サンプル／ラン）にはKingFisher Duo装置を使用
• ハイスループット（12～96サンプル／ラン）には KingFisher Flex装置を使用
自動化プロトコルをご覧ください。
KingFisher Flex装置のビデオをご覧ください。

穏やかな分離がタンパク質への物理的ストレスを最小限に抑える
Dynabeadsタンパク質Aが利用する磁気分離技術は迅速かつ穏やかで、標的タンパク質への物理的ストレスを最小限に抑えます。これにより、長時間のインキュベーション中にプロテアーゼによって解離したり損傷したりする可能性のある不安定な複合体の単離と濃縮が可能になります。天然タンパク質のコンフォメーションおよび大きなタンパク質複合体は保持されます。

結合強度と結合能
Dynabeadsタンパク質Aはほとんどの哺乳類免疫グロブリン（Ig）の分離を可能にします。捕捉されるIg量は、開始サンプル中のIg濃度、およびIgの種類や原材料によって異なります。100 μLのDynabeadsタンパク質Aは、20～200 μg IgG/mLを含むサンプルから約25～30 μgのヒトIgGを分離します。主なFc結合により、最適なIg配向が得られます。この抗体はビーズ外側の滑らかな表面に結合するため、セファロース／アガロースベースのビーズの場合と同様、大きな孔に閉じ込められることはありません。抗体はすべてタンパク質結合に使用できるため、少量の抗体のみ必要でありながら、同一の標的タンパク質を高収量で得ることができます。滑らかなビーズ表面は、Dynabeadsで知られている低レベルの非特異的結合にも関連性があります。

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