Thermo Scientific Pierce IgM Purification Kitは、マウス腹水からIgMを精製する使いやすいアフィニティマトリックス・バッファーシステムです；この方法は、キットに含まれるバッファー中のIgMに結合する固定化マンナン結合タンパク質を使用します。

Pierce MBP Agaroseは、4%アガロースビーズに固定化した精製済みマンナン結合タンパク質（別名：マンノース結合性レクチン、MBL）です。このレジンを温度およびカルシウム依存性結合に基づいて最適化したバッファーシステムとともに使用すると、腹水や他の濃縮サンプル由来マウスIgMの特異的アフィニティ精製が可能です。レジンや不可欠なバッファーは個別に入手することもできますが、IgM精製キット一式には5 mLのMBPアガロース充填カラムなどが含まれています。

IgM精製キットの特長：

•固定化MBP – マンナン結合タンパク質（MBP）に基づくアフィニティーシステムにより、腹水からのマウスIgMの特異的精製、または血清からのヒトIgMの部分的分離が可能
• 完全なキット – IgM精製キットには、充填済みMBPカラムと、すぐに使用できるバッファーが含まれており、カラム使用ごとに0.5 mL腹水サンプルから少なくとも1.5 mgのIgMを簡単に精製可能
• 穏やかな条件 – 非変性で中性付近のバッファー条件により、機能的抗体の回収を保証
• 再利用可能 – 安定したリガンドおよびレジンは、結合能を大幅に低下させることなく、10回以上再生および再利用が可能

マンナン結合タンパク質（MBP）は、マンノース結合性レクチン（MBL）とも呼ばれるもので、肝臓で産生され血清中に存在する哺乳類レクチンです。MBPは18の同一サブユニットで構成され、それぞれの分子量は約31 kDaです。このタンパク質は、糖鎖を介した補体活性化を開始できます。

固定化MBPに基づくIgM Purification Kitプロトコルは、腹水からのマウスIgMの精製にもっとも効果的ですが、血清からのヒトIgMの部分的精製も行えます。結合および溶出は、温度とカルシウムイオン濃度に依存します。結合および洗浄ステップは、20 mM塩化カルシウムを含むTrisバッファーを用いて4℃で行います。溶出は、EDTAを含むが塩化カルシウムは含まないTrisバッファーを用いて室温で行います。このシンプルなプロトコルは使用が簡単で、腹水から純度90%のマウスIgMを精製します。固定化したMBPは少なくとも10回、再生可能で、目に見える結合能の消失はありません。ヒト IgM も MBP 担体にも結合しますが、結合キャパシティの低下と IgG の夾雑が生じます。この精製システムは、他の種やサンプルソースの使用については試験や検証を行っていません。

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