Thermo Scientific細胞表面タンパク質単離キットは、哺乳類細胞表面タンパク質を選択的にビオチン化して精製し、細胞内タンパク質を除外するための試薬一式です。

細胞表面タンパク質単離キットの特長：

•細胞表面タンパク質を単離 — 総細胞タンパク質の複雑性を軽減
• 標識タンパク質を効率的に回収 — 切断可能なビオチンが、単離した細胞表面タンパク質をほぼ100%の確率で回収
• 便利 — 一つのキットに、すべての試薬のほか、細胞表面膜タンパク質の標識、細胞溶解、精製に関する詳細な説明書が付属
• ウェスタンブロッティングアプリケーション — SDS-PAGEバッファーで回収されたタンパク質を、ポリアクリルアミドゲル上に直接ロード可能
• 確実なシステム — NIH 3T3、HeLa、C6、A431などの多様な細胞株のためにデザインされたプロトコル

このキットでは、利用可能なリジン残基と十分な細胞外曝露を有するタンパク質を効率的に標識します。単離手順では、インタクトな接着細胞または浮遊細胞上の、表面タンパク質の露出した一級アミンを標識するために、細胞膜に対して非透過性の切断可能なビオチン化試薬（スルホ-NHS-SS-ビオチン）を使用します。処理細胞は回収および溶解され、標識された表面タンパク質はThermo Scientific NeutrAvidinアガロース樹脂を使ってアフィニティ精製されます。単離された細胞表面タンパク質には、はじめに標識された一級アミンの小さな非反応性標識が含まれますが、この時点ではビオチン化ではなくなっています（ビオチンは樹脂に結合したまま）。このキットには、それぞれT75フラスコ4枚分の細胞を8回実験するのに必要な試薬類が含まれています。

細胞表面タンパク質単離キットは、細胞表面タンパク質の標識および精製に問題なく使用されています。ある実験では、スルホ-NHS-SS-ビオチンを使用して、または使用せずにHeLa細胞を処理し、キットの手順に従って細胞を処理しました。溶出、フロースルー、および溶出後のゲルを含む分画を回収し、ウェスタンブロットで分析しました。ビオチン標識で処理した細胞の溶出分画中に、4種類の細胞表面タンパク質が同定されました。これらのタンパク質には、上皮細胞増殖因子受容体（EGFR）、インスリン様増殖因子-1受容体β（IGF-1β）、インテグリン1、インテグリン5が含まれていました。対照的に、これらのタンパク質は非標識細胞の溶出分画では同定されませんでした。非標識タンパク質は、フロースルーでのみ検出されました。また、細胞表面タンパク質の中には、標識細胞からのフロースルー分画で同定されたものもあります。これらのタンパク質は、立体障害のために標識されなかった可能性があります。溶出後のゲル分画には、わずかな量のタンパク質が含まれており、回収されたタンパク質の回収率は約100%に達しています。試験したすべてのサンプルの溶出分画中に微量の熱ショックタンパク質90（Hsp90）が検出され、細胞表面と細胞内タンパク質の標識の特異性が実証されました。

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