Thermo Scientific Pierce TCEP-HClは、強力で汎用性のある無臭のチオールフリー還元剤で、ジスルフィド結合の還元が関わるタンパク質やその他の研究に幅広く適用されます。この独自の化合物は、多くの水溶液で容易に溶解し、非常に安定しています。TCEPはジチオスレイトール（DTT）と同等に効果的にジスルフィド結合を還元しますが、TCEPはDTTや他のチオール含有還元剤とは異なり、スルフヒドリル反応性クロスリンク反応の前に除去する必要はありません。

Thermo Scientificの計量不要製品は、事前に分注されたフォーマットで提供される特殊試薬です。計量済みのパッケージではバイアルを繰り返し開閉することがないため、経時的な試薬反応性の喪失や汚染を防ぎます。このフォーマットでは、毎回新しい試薬バイアルを使用できるため、少量の試薬を計量する手間がなくなり、試薬の安定性に対する懸念が軽減します。

TCEP-HClの特性：

•無臭—TCEPはDTTやBMEとは異なり無臭であるため、ベンチで簡便にタンパク質を還元でき、より健全なラボ環境に貢献
• 特異的—広いpH範囲でもっとも安定な水溶性アルキルジスルフィドでも選択的かつ完全に還元
• シンプル—室温・pH 5で、5分以内に効果的に還元
• 安定—特有の安定性と空気酸化への耐性により、取り扱いや保存中の特別な予防手順が不要；不揮発性で、タンパク質中の他の官能基との反応なし
• 効率的—ほとんどのアプリケーションで、5～50 mMのTCEPは十分なモル過剰を提供し、室温で数分以内にペプチドまたはタンパク質のジスルフィド結合を効果的に還元。
•適合性—TCEPでは、ほとんどのアプリケーション（ヒスチジンタグ付きタンパク質精製、マレイミドコンジュゲーションなど）の前に還元剤の除去が不要。

TCEPの使用に関する考慮事項：
• TCEPは一般的に、ほぼどのようなpHでも水性バッファーに容易に溶解します。そのため、作業濃度および10Xストック溶液をほとんどの水性バッファーで容易に調製できます。
• TCEPは、水溶液、酸性溶液、および塩基性溶液中で安定しています。TCEPを直接水中に溶解すると、pHは約2.5になります。
• TCEPはリン酸緩衝液、特に中性またはアルカリ性pHではあまり安定しません。したがって、TCEPをPBSバッファーで使用する場合は、使用する直前に作業溶液を調製してください。
•TCEPは、SDS-PAGE用のサンプルローディングバッファーのDTTまたは2-メルカプトエタノール（2-ME）の代替として使用できます；最終濃度50 mMのTCEPを使用してください。
•TCEPは溶液中で帯電しているため、等電点電気泳動での使用には適合しません。