Thermo Scientific天然型Taq DNAポリメラーゼは、好熱性細菌Thermus aquaticusの熱安定性の高いDNAポリメラーゼです。酵素は5'→3’DNA合成に触媒作用を及ぼし、検出可能な3'→5'エキソヌクレアーゼ（プルーフリーディング）活性はありませんが、低い5'→3'エキソヌクレアーゼ活性はあります。また、このポリメラーゼはデオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ活性を示し、PCR産物の3'末端に余分なアデニンが付加されることがよくあります。天然型Taq DNAポリメラーゼは、大腸菌で見られるものと相同の細菌DNA配列の増幅に推奨されます。

Taq DNAポリメラーゼ（天然型、BSA付属）には、安定剤としてBSAが付属しています。このバージョンのTaq DNAポリメラーゼは、純度の低いDNAサンプル（マウス尾部から採取したゲノムDNAなど）を増幅する場合に最良の選択肢となります。

特長

• 熱安定性が高い — 半減期は95℃で40分を超えます。
•3'-dAオーバーハングを持つPCR産物を生成します。
•2種類のバッファーが付属します—10X Taqバッファー（KCl）と10X Taqバッファー（NH₄）₂SO₄。後者のバッファーにより、幅広いマグネシウム濃度でのPCRが可能となり、非特異的なプライマーの結合を低減します。
•修飾ヌクレオチドを取り込む（ビオチン標識、ジゴキシゲニン標識、蛍光標識ヌクレオチドなど）

アプリケーション

• 最長5 kbのDNA断片のルーチンPCR増幅
• DNA標識（参考文献1～3を参照）
• ハイスループットPCR

注

• Taq DNAポリメラーゼのPCRにおけるエラー率は、2.2 x 10^-5エラー／nt／サイクルです。したがって、PCRの精度は4.5 x 10⁴です。精度はエラー率の逆数で、エラーが発生する前に組み込まれた正しいヌクレオチドの平均数で示されます。
•マイクロアレイ実験には、界面活性剤を含まない10倍Taqバッファーを推奨します。