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統計
どういった疾患なのか
骨髄で形質細胞の単一クローンが異常に増殖すると、単クローン性のタンパク質が大量に産生される場合があります。これらの単クローン性タンパク質は、M蛋白またはパラプロテインとも呼ばれますが、それらの実体は単クローン性の免疫グロブリン(ガンマグロブリン)や遊離L鎖※であることが多いです。
※遊離L鎖は遊離軽鎖、あるいはフリーライトチェーン、FLCとも呼ばれます
多発性骨髄腫は、脊椎、頭蓋骨、骨盤、肋骨など、身体のさまざまな骨領域に影響を及ぼす可能性がありますb。多発性骨髄腫の症状は、骨髄腫細胞の増殖(および骨構造や骨髄微小環境への影響)と、単クローン性タンパク質が他の臓器に及ぼす影響によって引き起こされ、骨折、腎障害、貧血、免疫機能の低下につながる恐れがありますc,d。
多発性骨髄腫の症状および臨床上の影響
血液専門医やがん専門医への早期紹介により、患者さんの全生存期間と生活の質が改善される可能性がありますが、そのためには症状の早期発見と多発性骨髄腫の診断確定が必要です。
多発性骨髄腫の症状や合併症の多くは、がん化した形質細胞が周囲の骨や骨髄微小環境に及ぼす影響や、単クローン性タンパク質が他の臓器に及ぼす影響によって引き起こされます。多発性骨髄腫で多く見られる症状は、骨(臀部、脊椎、肋骨、頭蓋骨など)の痛みです。
骨髄微小環境の変化は血液細胞の産生にも影響を及ぼすため、貧血となったり、免疫系の機能低下を通して感染症にかかりやすくなったりします。骨髄腫細胞は骨構造にも大きな損傷を与え、高カルシウム血症や骨折リスクの上昇を招きます。
T産生された単クローン性タンパク質は臓器、特に腎臓を損傷する可能性があります。そのため、骨髄腫の患者さんの多くは腎機能障害も併発し、中には透析を必要とするほど深刻な障害となってしまう場合もあります2。
骨髄生検や血液検査、骨の分析を含むさまざまな検査により、CRAB症状があるかどうかを確認します。
臨床的徴候
形質細胞の増殖異常に起因すると考えられる末端臓器障害の症状は、多発性骨髄腫の診断基準のひとつです。この症状群は、それぞれの症状の頭文字をとってCRABという略語で表記されます。
以前は、末端臓器障害の発症を契機として多発性骨髄腫の診断がされることが多かったため、診断の時点で患者さんの病状が悪化してしまっていました。そこで、末端臓器障害が発生する前に適切な処置を行うために、病態進行リスクが高く短期間で発症に至る患者さんを示すバイオマーカーが特定されました。これらの悪性腫瘍のバイオマーカーはSLiM基準と呼ばれています3。
CRAB基準とSLiM基準を合わせて骨髄腫診断事象(Myeloma Defining Events, MDE)と呼びます。MDEが1つ以上認められ、単クローン性形質細胞が10%以上存在する(または生検により骨髄形質細胞腫、髄外形質細胞腫が証明された)場合に多発性骨髄腫と診断されます。
合併症