芳香性の鱗片状の葉を特徴とするヒノキは、常緑針葉樹です。低温に敏感で、世界の比較的温暖な地域でのみ育ちます1,2。ヒノキは風媒授粉し、1年のうち6~7カ月間、花粉を大量に産生します。アレルギー反応はしばしば重篤となります2,3。
ヒノキは、北米、ヨーロッパ、アジアの温暖な温帯地域と亜熱帯地域に分布しています1。
ヒノキアレルギーを持つ患者さんの多くは、樹木、雑草、イネ科植物の花粉などの他のアレルゲンに暴露したときに症状を発症することがあり、特に花粉飛散の季節が重なる場合には、どの花粉が症状の原因となっているかを判断することが困難です。これは交差反応と呼ばれ、身体の免疫システムが、異なる物質中のタンパク質や成分を構造的に類似しているか生物学的に関連していると判断し、反応を引き起こすときに発生します。ヒノキに関連した反応を引き起こす可能性のある他の吸入系アレルゲンには、ビャクシン、イトスギ、一部のマツやその他の雑草、樹木、イネ科植物の花粉などがあります5。
※他に感作または交差反応を起こしうるアレルゲンは人により異なるため、自己判断せずに必ず医師の診断を受けることが必要です。
ヒノキアレルギーの症状は他の多くの花粉アレルギーと類似しており、以下のものを含みます4,6。
くしゃみ
鼻づまり
鼻水
涙目
喉や目のかゆみ
ゼーゼーする
ぜん息患者さんがヒノキに感作された場合、樹木花粉により咳やゼーゼーするなどのぜん息症状が誘発されたり悪化したりすることがあります4,6。
アレルギー症状の原因を知ることは、治療や対策への第一歩です。自己判断せず、きちんと医療機関を受診して医師による適切な診断を受ける必要がありますので、医師に相談するために症状を記録しておきましょう。症状の記録とともに、特異的IgE血液検査または皮膚プリックテストが役立ちます。
樹木花粉は春に多く見られますが、ヒノキは日本では3月から5月に多く花粉を飛散させます7。