当社と、当社の関連会社、およびベンダーは、Webサイトの運営や訪問者の識別、安全なログインの提供、Webサイトの機能を最適化するための統計情報の収集や、お客さまの関心に応じたコンテンツ提供を行うために、Cookieおよびこれに類似するテクノロジーを使用します。すべてのCookieを受け入れて直接Webサイトに移動する場合は「すべて同意」を、Cookieの種類の詳細な説明を確認し、当Webサイト上で特定のCookieを受け入れるかどうかを選択する場合は「設定の管理」をクリックしてください。
マメ科に属するピーナッツ(別名、落花生)は、タンパク質と脂肪が豊富な栄養価の高い食品として評価されています1。 主に世界中でローストして摂取されている一方、ピーナッツは、ピーナッツバターにして丸ごと食され、さらに、パン製品、キャンディー、シリアル、ソース、マリネなどの多くの食品に取り入れられています2,3。 ピーナッツの栄養価にもかかわらず、ピーナッツアレルギーは命に関わる食物アレルギー反応のもっとも一般的な原因となっています4。 日本での即時型食物アレルギー調査では、原因食物として第5位(5.1%)であり、アナフィラキシーショックの原因となる食物の7.3%を占めています12。また日本では食品表示法による特定原材料の7品目の1つとして表示が義務付けられています12。さらに、英国ではピーナッツアレルギーは最大2 %の小児が患い、米国では約2.5 %の小児がアレルギーを持つ可能性があることが少なくとも1つの研究によって報告されています3,4。 残念ながら、アレルギーを克服したのは、罹患した小児の約20 %にすぎないため、治療を受けていないピーナッツアレルギーは生涯続く傾向があります5。ピーナッツは多くの食品に使用されているため、避けることは困難であり、偶発的な反応が一般的です。また、ピーナッツを扱う食品製造施設では混入のリスクもあります。また、少なくとも1つの研究によると、ナッツアレルギーの小児の約3分の1は、どのナッツに対してアレルギーをもっているかを特定できないため、偶発的な摂取の可能性がさらに高まります4。
ピーナッツは以下に含まれています8: 人工調味料、焼き菓子、キャンディー、チリ、チョコレート、 クラムトッピング、春巻き、エンチラーダソース、揚げ物、香料、グラハムクラッカークラスト、加水分解植物タンパク質、加水分解野菜タンパク質、マジパン、モーレ、天然香料、ヌガー、さまざまな料理(アフリカ料理、アジア料理、中国料理、インド料理、インドネシア料理、タイ料理、ベトナム料理、メキシコ料理)。
食品ラベルに記載されている場合、ピーナッツタンパク質の存在は以下のように示されます8: 落花生油、落花生、ピーナッツ、人造ナッツ、ビールナッツ、茹でピーナッツ、コールドプレスピーナッツオイル、破砕されたナッツ、落花生、落花生のさや、グランドナッツ、 加水分解ピーナッツタンパク質、マンデロナ、ミックスナッツ、モンキーナッツ、フレーバーナッツ、 ナッツピース、ナッツ、ピーナッツバター、ピーナッツバターチップ、ピーナッツバター片、落花生粉、ピーナッツペースト、ピーナッツソース、ピーナッツシロップ、スパニッシュピーナッツ、 およびバージニアピーナッツ。
ほとんどのピーナッツアレルギー反応は、ピーナッツやピーナッツを含む食品を摂取することに起因しますが、ピーナッツに触れるだけでアレルギー反応が引き起こされる人もいます9。 また、食品の製造および調製プロセスも混入のリスクをもたらします3。 落花生粉やピーナッツ調理スプレーで空気中に浮遊したピーナッツタンパク質や、粉砕や粉状化のプロセスでも、反応を引き起こす可能性があります3,9。 最後に、ピーナッツとナッツ類(ペカンナッツ、カシューナッツ、クルミなど)は製造工程や給仕工程で互いに接触することが多いため、すべてのナッツ類も避けることが最良かどうかを医師に相談してください5。
米国市場で比較的新しいハウチワマメ(別名ルピナス)は、ピーナッツとの交差反応性が高い欧州で一般的な食品成分です。つまり、ピーナッツアレルギーの場合は、ハウチワマメにも反応する可能性があります。ハウチワマメは、シロバナハウチワマメとしても知られ、種子、豆、粉の形態で使用され、グルテンフリー食品によく使用されています8。
ピーナッツアレルギーを持つ人の中には、無関係に見える他の食物を食べたときに症状を発症する人もいます。これは交差反応と呼ばれ、身体の免疫系が異なる物質中のタンパク質(アレルゲンコンポーネント)を構造的に類似しているか、生物学的に関連していると判断し、反応を引き起こすときに発生します。ピーナッツとのもっとも一般的な交差反応は、ナッツ類、果物、大豆、野菜、マメ科植物などの植物性食品で見られます2。
ピーナッツやその他の関連する新鮮な果物、生野菜、またはナッツ類を食べた後に、口のかゆみ、喉のいがらっぽさ、口のじんましん、あるいは唇、口、下または喉の腫れが見られる場合は、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)(口腔アレルギー症候群(OAS)とも呼ばれる)に罹患している可能性があります。このような症状は、食品や花粉に含まれる類似のタンパク質や成分に対する免疫系の反応によって引き起こされます。7 これはきわめて一般的で、ある研究では、アレルギー性鼻炎(花粉症)を持つ小児の約1/4がPFAS にも罹患していることが示唆されています11。 ピーナッツを食べたときにPFASを引き起こす可能性のある一般的な花粉アレルギーには、樹木(シラカンバなど)、イネ科植物、雑草が含まれます2。
※他に感作または交差反応を起こしうるアレルゲンは人により異なるため、自己判断せずに必ず医師の診断を受けることが必要です。
ピーナッツアレルギーは軽度から重度までさまざまで、経時的に変化することがあり、その結果、症状が軽度になったり、重度になったりすることがあります。食物アレルギーの症状は、摂取後数分から数時間後に始まることがありますが、ほとんどの症状は2時間以内に始まります。症状には、皮膚、消化管、心血管系、および気道が含まれる場合があり、以下のいずれかまたは複数の症状含まれる場合があります6。
ピーナッツアレルギーの症状には、アナフィラキシー、呼吸障害を引き起こす可能性のある全身反応、血圧の劇的な低下、および心拍数への影響も含まれます。もっとも重度のアレルギー反応であるアナフィラキシーは、暴露から数分以内に発症し、死にいたる可能性もあります6。
アレルゲンコンポーネント:Ara h 2(ピーナッツ由来)
ピーナッツに含まれるタンパク質のひとつであるAra h 2(読み方:アラエイチツー)を検査することができます。Ara h 2の特性は以下の通りです。
i. 重篤症状やアナフィラキシーのリスクを引き起こす危険性のある成分です。
ii. Ara h 2が関与するピーナッツアレルギーの場合、Ara h 2が熱や消化に対して強い特性をもつため、調理したピーナッツやローストしたピーナッツ、生のピーナッツで症状を引き起こす可能性があります。
症状には、口腔アレルギー症候群(OAS)、や花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)に関連する以下のものも含まれます7,8。
アレルギー症状の原因を知ることは、治療や対策への第一歩です。自己判断せず、きちんと医療機関を受診して医師による適切な診断を受ける必要がありますので、医師に相談するために症状を記録しておきましょう。症状の記録とともに、特異的IgE血液検査または皮膚プリックテストが役立ちます。アレルギーと診断された場合は、医師の指導に従ってください。
アレルギーは経時的に変化する可能性があり、ピーナッツおよびナッツ類アレルギーをもつ小児の10~20 %は、アレルギーを克服できることに注意してください10。
症状を引き起こす各アレルゲンに含まれるタンパク質や成分を知ることは、管理プランを作成する際の助けとなります。担当医はこれらの情報と症状の記録に基づき、特異的IgE検査と呼ばれる検査を提案する場合があります。この検査は、反応する可能性のある他の花粉や食物の特定に役立ちます10。